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2015年09月07日

Symtavision社、自動車ECUの設計、開発、統合のためのユースケースを定義

独ブラウンシュヴァイク、2015年9月3日発表 – 組込みリアルタイムシステムのタイミング設計とタイミング検証で世界をリードするSymtavision社(以下、Symtavision)は、同社のSymTA/S、およびTraceAnalyzerのタイミング設計と解析ツール向けに、一連の包括的なユースケースを定義しました。このユースケースは、自動車ECUの設計、開発、および統合に向けた継続的なタイミング評価プロセスの設計と、実装において優れたサポートを企業に提供することを目的としています。

Symtavisionにおける自動車ECUのユースケースの定義は、自動車ECUの設計、開発、および統合のライフサイクルのあらゆるフェーズで、現在のタイミング状況の継続的なタイミング評価を提供するために、どのようにSymTA/S、およびTraceAnalyzerを展開できるかを示しています。以下の項目が対象になります。

  • ECUのタイミング評価
  • CPUの負荷と実行時間の最適化
  • スケジュールの最適化とCPUの負荷予測
  • ソフトウェアとスケジューリングのアーキテクチャ設計
  • ECUのタイミング要件の把握
  • マルチコアECUへの移行

ECUの設計中は、現在のタイミング状況の継続的な評価により、ボトルネックの早期検出が容易になり、また、ECUソフトウェアの統合フェーズでは、CPUの負荷解析によって、既存のハードウェアの使用の最適化が可能となります。さらに、スケジュールの最適化と負荷予測により、保守とアップデートをサポートします。その上、新たなECU設計、および特に困難を伴う可能性のあるマルチコア設計に対して、Symtavisionのモデルベースソフトウェアのアーキテクチャ設計の最適化は、効率的かつ堅牢で拡張可能なECUの製造の意思決定を向上させます。

 

Symtavision社 CTOであるKai Richter(カイ・リヒター)のコメント:
「理想として、ECUのライフサイクル全体は、継続的なタイミング評価プロセスによるサポートを受ける必要があります。主要な顧客と共同で定義を行ったユースケースは、当社のSymTA/S、およびTraceAnalyzerのタイミング設計と解析ツールを組合せることで、企業がこうしたプロセスを定義し、実装する方法を改善できるように支援する基盤をもたらします。」

 

SymTA/S、およびTraceAnalyzer向けの自動車ECUのユースケースについて、以下に詳しく説明します。

●ECUのタイミング評価

ECUソフトウェアの複雑性が高まり続ける中で、CPUオーバーロードやタスクのデッドライン違反といったタイミングの問題も増え続け、この結果生じる機能障害も増加することになります。CPU負荷、タスク実行時間、応答時間といった重要なタイミングのプロパティを決定して検証するために、Symtavisionは、ECUトレースに基づいたタイミング解析を提供しています。このトレースデータを用いることで、コーナーケースのカバレッジを向上させ、起こりうるタイミングエラーを検出するワーストケース解析を実行するようにモデルを構成することができます。

●CPUの負荷と実行時間の最適化

CPUオーバーロードは、ECUの誤作動の典型的な要因です。Symtavisionは、CPUの負荷を軽減する上で、最適化が最も効果的であるコード行を直接指摘する静的コード解析ツールを(パートナーであるAbsInt社を通じて)提供しています。

●スケジュールの最適化とCPUの負荷予測

スケジュールの最適化は、CPUのパフォーマンスを最大限に引出し、CPUオーバーロードやデッドライン違反といったタイミングの問題を軽減する重要な要素です。Symtavisionは、新たなスケジューリングの解決策を事前に検証して最適なスケジューリングを発見するモデルベースのスケジューリングシミュレーションを通じて、スケジュールの最適化をサポートしています。

●ソフトウェアとスケジューリングのアーキテクチャ設計

ソフトウェアのコンポーネント、サイクル時間、実行順序、通信などの構造と分割に関するソフトウェアのアーキテクチャは、ECUの効率性、ロバスト性、および拡張性を決定します。Symtavisionのツールチェーンは、モデルベースのタイミング解析を提供し、設計者がソフトウェアのアーキテクチャを効率的に評価して最適化できるようにします。

●ECUのタイミング要件の把握

ハイレベルのコンポーネント、または機能を統合するためのリソース最適化ECUシステムの系統的な開発は、既知のタイミング要件から開始することが理想的とされます。これには、機能、およびソフトウェア・コンポーネントの推定実行時間、End-to-Endのデッドライン、サイクル時間、およびスループット要件が含まれます。Symtavisionは、合理的な変換フォーマットを含む、OEM、ならびにECUサプライヤに適したモデリング機能を提供します。

●マルチコアECUへの移行

マルチコアECUの効率的かつ的確な使用は、多くの新しいECU設計における大きな課題となっています。Symtavisionのツール、および経験を通じて、ソフトウェア、データマッピング、管理用通信オーバーヘッド、スケジューリング設計の分割を最適化するなど、問題なくマルチコアへ移行できるよう支援します。

 

■ Symtavision GmbH(Symtavision)について

Symtavision社は、早期段階の見積から最終検証まで、リアルタイムシステムのプランニング、最適化、および検証に適した最先端のタイミング解析ソリューションを提供しています。Symtavisionは、システムレベルのタイミング設計と検証用にタイミング解析ツールSymTA/Sをリリースしており、AUTOSAR、CAN、FlexRay、OSEKなどのカーエレクトロニクス分野の規格をサポートしています。また関連ツールであるTraceAnalyzerは、測定とシミュレーションの両方からのタイミングデータを視覚化して解析できる強力なソリューションで、SymTA/Sとシームレスに統合できます。本社は独国ブラウンシュヴァイクで、支社をミュンヘンとトロイ(米国、ミシガン州)に構えており、全世界に拡がる代理店ネットワークにサポートされています。日本では、Symtavisionの代理店である株式会社アドバンスド・データ・コントロールズがサービスを提供しています。
Symtavisionに関する詳しい情報は、Webサイト http://www.symtavision.com/ をご覧ください。

 

■ 株式会社アドバンスド・データ・コントロールズ(ADaC)について

アドバンスド・データ・コントロールズは、1982年に設立され、「最適なソフトウェア開発環境」 を常に追求し、時代を先取りしたベスト・ソリューションをトータルに提供するリーディングカンパニーです。ワールドワイドなアライアンス体制を強みに、Symtavision社の代理店として、タイミング検証・最適化ツールを日本の顧客ニーズに対応した形式で提供しています。またGreen Hills Software社の技術パートナーとして、ローエンドからハイエンド製品まで対応した組込みシステム開発ソリューションも提供しています。
ADaCに関する詳しい情報は、Webサイト http://www.adac.co.jp/ をご覧ください。

 

【本件に関するお問合せ】

株式会社アドバンスド・データ・コントロールズ  営業本部 企画部TEL:03-3251-3170 / FAX:03-3251-3167
E-mail:planning@adac.co.jp

*Symtavisionは、独国におけるSymtavision GmbH の登録商標です。その他の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

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