ハイパーバイザ

μ-visor

green hills software

μ-visor

Green Hills Software社(GHS)のμ-visorは、マイクロコントローラ向けのハイパーバイザです。
堅牢なハードウェア仮想化支援によるソフトウェア分離、複数OSのサポート、リアルタイムの効率性を特長とし、リソースが限定されるCPU上の重要なワークロードを安全かつ確実に統合します。

μ-visorのスケーラブルで効率的なアーキテクチャは、同じCPU上で動作する複数のOSが干渉しないことを保証し、複数のCPUコアと限られたプロセッサリソースをフル活用するための機能が提供されます。

他のGHS製品と同様、μ-visorは、各分野向けの機能安全やセキュリティ認証を必要とするシステム向けに設計されており、GHS社の先進的な統合開発環境 MULTIを使用した効率的なソフトウェア開発が可能です。

安全性とセキュリティ

μ-visorは、車載機能安全(ISO 26262 ASIL D)、産業機能安全(IEC 61508 SIL 3)、車載サイバーセキュリティ(ISO/SAE 21434)など、致命的なレベルの安全性とセキュリティを必要とする組込みシステムに最適なソリューションです。μ-visorは、設計者が同じプロセッサ上で、安全性レベルの異なる複数の仮想マシンを同時に実行することで、ハードウェアとソフトウェアを安全に統合することができます。

μ-visorは、プロセッサの機能を利用してソフトウェアの分離を実現し、デバイスやメモリへのアクセス制御を行うと同時に、仮想マシンの動作を高速化します。例えば、μ-visorとルネサス製マイコンRH850/U2Aを組合わせることで、以下のようなシステムの実現が可能です

  • μ-visorの仮想マシンとゲストOSは、ハードウェア機能によって分離され、互いに干渉し合うことなく自由に動作
  • 重要なレジスタは、仮想マシン間で保護、割当て
  • 周辺I/Oデバイスは、ペリフェラルバスガード機能により、仮想マシン間で安全に共有、保護が可能
  • ハードウェア機能による分離とあわせて、ユーザが設定可能な故障管理を提供
  • 故障、および復帰シーケンス中の仮想マシンの復元、解析、制御のためのコールバック関数を実装することが可能

パフォーマンスと柔軟性

リソースに制約のあるマイコン上で動作する組込みシステムでは、実行効率と設計の柔軟性が最も重要です。この課題の解決に向けて、μ-visorはマルチコアマイコンを最大限に活用するため、以下の3つのスケジューリングを提供します。

  • 専用コア (Dedicated Cores):各コアに個別で仮想マシンを割当て
  • 共有コア (Shared Cores):複数の仮想マシンがコアを共有し、設定したタイムスライスで実行
  • フォアグラウンド/バックグラウンド (Foreground/Background):共有コアで動作する状態で特定の仮想マシンを高優先度にマークすることができ、常に他の仮想マシンよりも優先して実行

μ-visorは、RH850/U2A、TriCore、ARM Cortex-R52などの主要なプロセッサをターゲットとしつつ、AUTOSAR Classic、FreeRTOS、μ-velOSity、自社製OSなどの複数のOSを同時に実行できます。このようにベンダやOSに依存しない仮想化により、開発者は新しい機能を追加したり、ハードウェアとソフトウェアを分離して、柔軟に他のプロジェクトで再利用することができます。

標準的な通信チャネルを利用して、さらに柔軟性や再利用性を実現します。異なる仮想マシン上のアプリケーションは、仮想イーサネットAPIに基づいたμ-visorのプロセス間通信 (IPC) を使用することができます。さらに、マイコンのデバイスや周辺I/Oを共有することができるため、プロセッサの使用効率を高めることができます。

先進の統合開発環境

1982年以来、GHS社の先進的な統合開発環境により、ソフトウェア開発者は、問題を迅速に発見・修正し、最大限のプロセッサ性能を引出すと同時に、機能安全認証を取得したり、最短の時間で製品を市場投入することが可能になりました。μ-visorは、これらの統合されたハードウェアとソフトウェアのツールを活用して、複数のOS、プロセッサ、ホストPC上での組込みソフトウェアの作成、デバッグ、最適化、出荷を実現します。


ソフトウェア開発ツール

  • 統合開発環境 MULTI、およびGreen Hillsツールチェーンは、ISO 26262 (ASIL D)、IEC 61508 (SIL 4)、EN 50128 (SWSIL 4)など最高レベルの機能安全認証を取得
  • MULTIは、OSカーネルを意識した異種コア用のマルチコアデバッガを保有。統一されたGUIでOSカーネル、ドライバ、ミドルウェア、アプリケーションのデバッグが可能
  • Green Hillsコンパイラは、幅広いCPUアーキテクチャ上で高速かつ最小サイズの製品品質のコードを生成
  • その他の統合ツールには、プロファイラ、シミュレータ、ランタイムエラーチェック、プロジェクトビルダ、エディタなどを搭載
  • OSカーネルを意識したデバッグ機能を使用し、タスクやセマフォなどのカーネルオブジェクトを詳細に見ることが可能
  • 動的解析ツール TimeMachineのデバッグ機能を利用することで、アプリケーション実行後に時間を遡り、発見が困難なバグを数分で発見することが可能
  • MISRA C ルールチェックにより、コンパイル時にコード品質を向上
  • コンパイラに統合された静的ソースコード解析ツール DoubleCheckは、毎回のビルド時に解析を実施
  • SEI CERT-C ルールチェックをサポート
  • CFI(制御フローの完全性)対応
  • MathWorks社のEmbedded CoderやSimulinkと統合され、モデルベース開発、シミュレーション、PILテストが可能

ハードウェア開発ツール

Green Hills Probe V4を使用することで、マルチコア環境の立上げ、低レベルデバッグ、トレースベースの解析を行うことができます。

対応プロセッサ

μ-visorは、以下のCPUアーキテクチャ、SoCをサポートしています。

  • Renesas RH850/U2A
  • ARM Cortex-R52
  • TriCore

その他については、お問合せください。

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