リアルタイムOS

u-velosity

green hills software

µ-velOSity

Green Hills Software社（GHS）のμ-velOSityは、コンパクトかつ高速起動可能なリアルタイムOS（RTOS）です。 Cライブラリとして実装されるため、多くのターゲットアーキテクチャに容易に移植できます。CPUやメモリリソースの限られた製品に適しており、統合開発環境MULTIとの親和性が高く、効率的な組込みソフトウェア開発を可能にしています。

µ-velOSityは、起動時に必要なCPUクロックサイクル数を最小にするよう設計されました。これは、高速起動が要求される組込み機器にはとても重要です。また、µ-velOSityは、省電力で、単3形乾電池1本で10年以上稼働し続ける製品にも搭載されています。

他社のOSでは、各タスク内に割込み処理用のスタックを追加で用意しなければならず、貴重なメモリリソースを消費してしまいます。特に、多重割込みがある場合、そのメモリ使用は大きくなってしまいます。各タスクで必要となるメモリ容量を削減するために、µ-velOSityでは、割込みハンドラ用には、別のランタイムスタックを用意しています。さらに、Green Hills コンパイラがスタックオーバーフローチェックを自動で挿入することができますので、見つけにくいバグをリリース前に発見し、修正することができます。

µ-velOSityでは、Green Hills コンパイラの最適化機能を使用して、コードサイズを削減し、かつ実行速度を向上しています。さらに、超高速なコンテキスト切替時間や高速なカーネルサービスコールにより、CPUリソースが貴重となるシステムには理想的なRTOSです。

信頼性の高いマイクロカーネル方式

μ-velOSityは、最小限のフットプリントとシンプルなAPIを備えた信頼性の高いマイクロカーネル方式です。次のような特長があります。

  • シンプルなAPI
  • 高速実行
  • メモリ保護
  • 安全性・セキュリティ認証
  • 高速起動

μ-velOSityでは、アプリケーション、ミドルウェア、ドライバをカーネルメモリ空間の外で実行できます。メモリ保護ユニット (MPU) のサポートにより、メモリをいくつかの異なる領域に分割でき、タスク単位での安全な分離が保証されます。システム設計者は、重要なアプリケーションと一般のアプリケーションを干渉なく実行することができます。

μ-velOSityは、優先度ベースのプリエンプティブなスケジューラを実装しており、優先度の高い重要なタスクのイベントに対するリアルタイム応答性を向上します。最も優先度の高いタスクが常に最初にリソースの制御を取得できます。

安全性認証

μ-velOSityは、以下の安全性認証に対応します。システム設計者は、開発コストと市場投入までの時間を削減できます。

  • 機能安全認証：Safety Element out-of-Context(SEooC)

    • - ISO 26262 ASIL D (自動車)
    - IEC 61508 SIL 3 (産業)
    - EN 50128 SIL 4 (鉄道)

  • 自動車サイバーセキュリティ

    • - ISO/SAE 21434 (CSMS)

最先端の開発ツール

Green Hills Softwareは、40年以上にわたり、組込みシステムの開発・デバッグ用のツールを提供してきました。μ-velOSityでも、統合開発環境MULTIを活用して、アプリケーションの効率的な開発・デバッグを実現できます。

  • 統合開発環境MULTI

    • μ-velOSityには、高度なソースレベルデバッグを実現するプロファイリング、およびコードカバレッジの可視性と統合された、複数のタスクを同時にデバッグする機能が含まれています。

  • C/C++最適化コンパイラ

    • 高度な最適化により、最小サイズ / 最高速度かつ高品質な実行コードを生成します。

  • 命令セットシミュレータ

    • ハードウェアがまだ入手できない、または供給が限られている場合に、μ-velOSity用の命令精度の高いシミュレーション環境が提供されます。

  • 新規プロジェクトウィザード

    • μ-velOSityの新規プロジェクトウィザードには、ユーザが数分でμ-velOSityを立ち上げて実行できるようにするプロジェクトテンプレートと、アプリケーションの例が用意されています。

  • ハードウェアデバッグ

    • Green Hills Probeなどのハードウェアデバッグ機器を使用して、ターゲットボードにコードをダウンロードし、実行制御、およびOSカーネルを意識したデバッグ（OSAエクスプローラ）をすぐに開始できます。

対応プロセッサ

μ-velOSityは、以下のCPUアーキテクチャをサポートしています。

  • ARM v7-M: Cortex-M4(F)、
    Cortex-M7(F)
  • RISC-V: RV32 IMC 拡張命令セット
  • ARM v7-R: Cortex-R5(F)
  • ARM v8-R: Cortex-R52
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